> 不輸・不入の権についてどういうものなのか教えて下さい。
不輸の権とは,免税特権のことで,田地にかかる租税を免除される権限です。
ですから,本来納入すべき租税に相当する部分は自分の収益としてしまうことができます。
不入の権は,国司が派遣する検田使(田地を調査する役人)の立入りを拒否できる権限です。
朝廷から徴税を任されている国司は,できる限り徴税の対象となる田地を増やそうとしますから,荘園領主や地方豪族,農民たちが新規に開墾している田地がないかどうか,厳しくチェックしようとします。
もともと墾田永年私財法では田地の開墾には国司の許可が必要と規定されていますが,国司の許可をとって開墾したら課税対象とされてしまいますし,また,たとえ荘園領主が特定の田地を対象に不輸の権を獲得していたとしても,新しく開墾した田地については改めて朝廷に申請して不輸の権を獲得しなければなりませんから,国司に隠れてコソっと開墾する例が多かったのです。
そこで国司の側では,検田使を派遣してそうした隠れて開墾されている田地がないか監視していたのですが,ひとまとまりの地域(田地だけではなく山や野原なども含む)を対象に荘園領主が不入の権を獲得してしまえば,その地域内では国司に配慮することなく自由に田地を開墾することができますし,それらの新規開墾地には国司から租税を賦課されることもなくなってしまいます。
こうして,不入の権を獲得してしまえば,荘園は国司の支配から事実上独立してしまうわけです。
[2001.10.08]