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関関同立の出題傾向

駿台予備学校(関西)での冬期講習「20点UPの日本史」のために作成したデータです(2002年9月作成)。
なお,「20点UPの日本史」はテスト演習とテキストを使って関関同立など関西私大の受験に向けた最後の仕上げをやります。関関同立志望の受験生は「20点UPの日本史」の受講をお薦めします。


関西学院大学

時代・分野ともにまんべんなく出題されているが,近現代からの出題がやや多い。全体としては平易だが,正誤問題が難物だ。時々,正誤の判定基準があいまいだったり,重箱の隅をつつくような細かな偏った知識を問う場合があるが,そうした悪質な正誤問題の比重が高いわけではない。基本用語とその内容説明とをセットにして覚えてあれば,たいていは解答できる!(山川の『詳説日本史』の文章を借用した正誤問題も多い)。なお,史料問題が必出。
原始原始文化の出題は少ないが,正誤問題で問われることがある。各文化の特色をつかむと共に,日中交渉・日朝交渉,文字の使用例を中心に基本事項をおさえておこう。
古代基本的な出題が多いが,年代順配列や時期を問う出題がしばしばあるので,人物・事件の内容と前後関係を注意しておきたい。テーマとしては氏姓制度,改新政治,律令制度のしくみ,奈良時代の政治史,土地制度の変遷,平安初期の政治改革,東北経営,仏教史,仏像彫刻や寺院建築が頻出だ。なお,土地制度の変遷については,同時代の政策・事件との前後関係をきちんと把握しておこう。そのためにも,年表を作成するなど,政治・経済・文化をまとめて把握することが必要だ。
中世政治史では,鎌倉期は承久の乱・御成敗式目を中心テーマとして関連事項,南北朝期は建武式目・半済令など守護の権限拡大,室町期は反乱・土一揆など事件の内容・年代順配列が頻出。経済史では,二毛作など農業発達や座,戦国時代の都市に注意が必要だ。文化史では,鎌倉〜室町期の新旧仏教の僧侶の活動が頻出。外交史では,元寇や室町期の貿易・琉球・アイヌが頻出。なお,足利義満・義持・義教・義政については,政治史だけでなく,貿易・文化での関連事項もおさえておこう。
近世政治史は基本事項の出題が中心。史料では,太閤検地,刀狩令,武家諸法度元和令,禁中並公家諸法度,百姓統制のための諸法令,三大改革の諸法令などが頻出。経済史は,農業や流通・交通について基本事項からの出題がほとんど。外交史ではバテレン追放令,朝鮮出兵,列強の接近が頻出だが,江戸初期の対外関係に関連して島原の乱当時の島原・天草領主など,教科書には掲載されているが,少し細かめのデータも出題されている。文化史は学問が頻出で,とくに元禄期の儒学者・歴史書,懐徳堂,蘭学などが要チェック。なお,絵画にも注意が必要。
近代政治史では大日本憲法の特色をしっかりとつかんでおきたい。特に天皇の位置づけ,帝国議会の構成,内閣と議会との関係などが重要だ。自由民権運動〜政党政治期にかけては,それほど出題されているわけではないが,基本事項をおさえておきたい。外交史は,幕末・明治初期から十五年戦争の敗戦に至るまで,主要な外交政策・条約がよく問われる。内容や年代順の混同に注意が必要。内閣ごとに整理しておくとよい。経済史では,明治初期の経済・金融政策,松方財政,井上財政,高橋財政が頻出。産業革命に関する出題は少ないが,社会運動は基本事項を中心にしっかり出題されているので要注意。文化史の出題は明治期に集中する傾向があり,なかでも啓蒙思想家,文学,美術,演劇,建築に気をつけておこう。
現代戦後史の出題が多いのが関学の特徴。占領期については,経済の民主化政策,憲法改正過程,傾斜生産方式と経済安定九原則が頻出。外交史では,サンフランシスコ平和条約から日中平和友好条約にいたる戦後処理外交が重要。経済史では,高度経済成長からドル危機(円切上げ)・変動相場制への移行まで確実におさえておきたい。文化史では,ノーベル賞受賞者に注意が必要だ。さらに,最近のところでは,中曽根内閣(国鉄などの民営化),竹下内閣(消費税や牛肉・オレンジの自由化),宮沢内閣(PKO協力法)は出題されて当然と思っておいてほしい。


関西大学

大問4題で,うち3題が選択問題,1題が記述問題という形式が続き,記述問題では人物を答えさせるものが多い。内容では,テーマ問題で難問・奇問が出題されることもあるが,基礎的事項を取りこぼさなければ高得点がとれる(7割は確保したい!)。出題分野としては政治史と文化史が多いので,その学習に力を注ぎたい。
原始出題は少ないが,弥生・古墳文化について遺跡・遺物を中心に注意が必要だ。
古代政治史では,改新政治,奈良時代の政争が超頻出。東北地方の動向についてはテーマ史として出題されることがあるので,まとめておくとよい。文化史では仏教史が超頻出で,僧侶(著作や業績)・寺院・仏像が重要。また,絵巻物など絵画の出題も多い。都城(藤原京・平城京)とそこでの貴族・官人の生活に関する出題が多いので,注意しておこう。外交史では遣隋使・遣唐使とその関連事項が頻出。
中世政治史では,御成敗式目,承久の乱・永享の乱・応仁の乱など鎌倉〜室町期の事件,建武新政,惣村と土一揆が頻出。文化史では,古代同様,仏教史が頻出で,新仏教だけでなく旧仏教の動向も重要。また,儒学・教育機関に関する出題も多く,似絵・水墨画や連歌も要注意。経済史の出題は少ないが,日明・日朝貿易は頻出。アイヌとの交易・琉球王国も要注意。
近世政治史では織豊政権期と文治政治〜天保改革が頻出。外交史では,豊臣政権期のバテレン追放令・サンフェリペ号事件,江戸初期から列強の接近期にかけて海外へ渡航した日本人・来日した欧米人に注意が必要。経済史では,貨幣,流通に関する出題が頻出。文化史では学問・教育機関・絵画が超頻出で,学問・著作については,儒学・蘭学・国学や元禄期の学問・江戸後期の社会批判だけでなく,菅江真澄・鈴木牧之までおさえておく必要がある。
近代政治家・社会運動家・作家についての出題が多く,人物の業績をキチンと把握しておくことが大切。政治史では,テーマとしては明治前中期の政治動向(自由民権運動など),満州事変以降の十五年戦争期が頻出。その傾向は外交史にもあてはまり,条約改正,日中〜アジア太平洋戦争期(とくに戦争末期)が頻出。経済史では明治前期の貨幣・金融政策(松方財政まで),明治後期の社会運動,文化史では絵画が頻出。
現代必ずどこかの学部で出題されており,最近は出題される分量も次第に増えてきている。近代同様,人物の業績に注意することが必要だが,高度経済成長〜低成長時代も頻出。


同志社大学

基本的な良問が多く出題されるため,高得点を確実にとらなければ危うい。なお,時代をまたいだテーマ史の出題がしばしば見られるのが特徴の一つで,テーマごとの整理を仕上げとしてやっておくとよい。
原始出題はやや減少傾向にあるが,日中・日朝交渉は頻出だ。それ以外としては葬制や交易,遺跡,文字の使用例が頻出。
古代政治史では律令制度(公地公民制など),改新政治〜摂関政治が頻出で,武士団についても注意が必要。外交史では奈良〜平安時代の対外交渉が頻出で,遣隋使,渤海・遣唐使廃止・高麗・刀伊の入寇・大輪田泊の修築は要チェック(入宋僧・〓然[ちょうねん]にも注意)。経済史では貨幣鋳造,文化史では仏教・絵画・彫刻が頻出。
中世政治・外交・経済・文化がほぼ均等に出題されている。政治史では,執権政治の形成過程,両統迭立など朝幕関係,室町幕府の機構と反乱が頻出。外交史は,元寇・日元貿易〜日明・日朝貿易まですべて頻出で,経済史では流通や農業・手工業・特産物が頻出。細かなところでは鋳物師や鳥の子紙などにも注意が必要。文化史では鎌倉期の新旧仏教が頻出で,それ以外では金槐和歌集・建築・絵画・連歌などに注意が必要。
近世政治史では江戸時代の三大改革・藩政改革を中心にまんべんなく出題されており,史料問題の出題も多い。外交史では,南蛮貿易,朝鮮出兵,バテレン追放令,江戸初期の外交と貿易が頻出。経済史では農業・交通が頻出で,特に農具の図版を使った出題もある。文化史は学問・出版(慶長勅版〜化政期の戯作)が頻出で,人物と著作を網羅的にチェックしておこう。
近代政治史ではかつては政党政治史というテーマ史の出題が特徴的だったが,最近は網羅的な出題が増えている。基本事項をきちんと習得しておこう。テーマとしては,幕末の政治史,女性史が頻出なので要注意。外交史では開国,条約改正,明治初期〜韓国併合までの日朝・日中関係,国際協調体制〜アジア太平洋戦争が頻出。経済史は明治初期の殖産興業政策,明治初期〜昭和初期の貨幣・金融史,明治後期〜大正期の社会・労働運動が頻出。文化史では来日欧米人,明治・大正期の思想,絵画・演劇,文学が頻出。
現代戦後史が単独の大問で出題されたことはないが,近現代のテーマ史という形で毎年どこかの学部で必ず出題されている。テーマとしては,サンフランシスコ平和条約以降の戦後外交が頻出で,それ以外では戦後改革が要注意。


立命館大学

悪問を数多く出題する大学としては関西随一だ。大学側が発表している講評では「暗記だけに頼る日本史の知識を排して,歴史の流れをいかに正確に理解しているかを問いかける出題を心がけた」と書いてあるが,実際には,教科書記述の重箱の隅をつついた,知識の単なる暗記を要求する出題が目立つ。受験生は概してそうした瑣末な事項にとらわれがちだが,頻出事項をとりこぼさないことを第一に最後の仕上げにかかって欲しい。また,テーマ史や図版を使った出題が増えているので注意しておこう。特に文化史については図版を確認することが不可欠だ。
原始原始文化に関する出題が多いのが特徴だが,特に道具が要注意。縄文の打製石鍬(石斧),弥生の太型蛤刃石斧・柱状片刃石斧など,他大学ではほとんど出題されそうにないものの,農耕のあり様を知るうえで重要な道具に関する出題が見られるのが特徴だ。日中交渉も頻出。
古代政治史では,氏姓制度,継体〜推古朝,天智・天武朝の政策,律令制度,聖武朝,延喜・天暦の治〜摂関政治の全盛期,武士の台頭が頻出。経済史では,墾田永年私財法,延喜の荘園整理令,尾張国郡司百姓等解文,延久の荘園整理令が頻出で,奈良時代の鉱産物にも要注意。外交史では平安中後期の対外交渉に注意が必要。文化史では仏教史が頻出。史料では国分寺建立の詔,大仏造立の詔に注意が必要だ。
中世政治史では,鎌倉初期〜執権政治と南北朝期(室町幕府成立期)が頻出で,御成敗式目,二条河原落書,建武式目が史料問題で頻出。経済史では,農業・流通・手工業が頻出で,細かなところでは松崎天神縁起絵巻,七十一番職人歌合,杉原紙などにも注意が必要。文化史では,鎌倉期の新旧仏教・建築・文芸,室町期の連歌,猿楽能などの芸能が頻出。
近世政治史では,太閤検地,百姓の負担,寛政〜天保期の幕政・藩政改革が頻出で,主要史料をチェックしておく必要がある。外交史では江戸初期の対朝鮮・対アイヌ関係が要注意。経済史は基本事項を中心におさえておこう。文化史では,儒学,元禄期の学問,江戸後期の社会批判が頻出。江戸初期の黄檗宗や本朝通鑑などにも注意が必要。
近代幕末〜明治後期の経済史(幕末の金銀比価問題・地租改正・殖産興業・明治初期の金融政策・松方財政・産業革命),昭和戦前期の経済史(金融恐慌・井上財政・高橋財政・企画院),日清戦争期〜ワシントン会議期の外交史が超頻出。外交史では日朝修好条規・天津条約・下関条約・ポーツマス条約・第2次日韓協約・第3次日韓協約・韓国併合条約・二十一か条要求・石井ランシング協定・日満議定書が史料問題で頻出。政治史はそれほど出題されていないが,王政復古の大号令・五箇条の誓文の史料問題,大正デモクラシーの政治思想(美濃部達吉・吉野作造・石橋湛山)や大正期の社会運動,護憲三派内閣の諸政策などが要注意。文化史では明治期の神道国教化政策,昭和戦前期の思想統制,教育史,啓蒙思想が頻出で,建築や自然科学も要チェック。
現代戦後改革と経済復興に関する諸政策を内閣ごとに整理しておく必要がある。講和以降については日米安全保障条約(史料問題),高度経済成長と公害問題が要注意。

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