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 カマラ首都ジョイワールの、都心から離れた山の上――地元の人間が山の手と呼ぶバラック地区のさらに上、冷たい風が吹きすさぶ山頂に、彼は座っていた。
 眼下には薄汚い、木板に石を置いただけの粗末な屋根が、山肌にびっしりひしめいている。時折風に乗って子供の喚声や女の怒号が届くが、気になるほどではない。
 視線を麓まで下ろすと、バラックの間に四角く飾り気のないアパートが見え始める。その割合は山を下るにつれ多くなり、平地になると今度は石造りの家が並びだす。低地に向かって家は立派に、瀟洒に、そして豪華になっていき、緑を抱く豪邸がひしめく区画を抜けると、白亜の宮殿に到達する。もっとも、白亜なのは廟だけで、宮殿本体は沈んだピンクという趣味の悪い色だが。
 宮殿の向こうにはタンガーガ湖が広がる。赤茶けて乾燥した大地に湧きだす命の水。満々と水をたたえたタンガーガは、強烈な日の光を浴びて、白くきらめいていた。近寄ってみれば、街から流れだす生活排水のせいで水は汚れきり、緑の藻が繁茂して見る影もないというのに、遠く離れたこの山頂から見ると、聖なる湖、その名に相応しく美しかった。
「ちっ、砂が口に入った」
 彼は舌打ちし、砂塵除けのフードを深くかぶり直した。
 目を細め、眼球にほんのわずか力を込める。すると、その視界に陽炎が立ち上る一角が見えてきた。王宮を中心とした一帯が、不安定に揺らめいて見える。まるで目から少し離れたところに凸レンズを置き、そこを覗いた感じだ。
 彼はそれが単なる、太陽光照射による大気の揺らめきでないことを分かっていた。
 それは空間の歪みだ。
 不意に、彼は王宮から視線を逸らし、背後を振り返った。
「……」
 なにもない虚空を凝視しつつ、左手を広げる。意識を左手に集中し、体液をそこに流れこませるように力を込める。
 うわん……小さな唸りを伴い、掌に光が生じた。最初は点のような光が、すぐに掌大まで成長する。そのままの状態で虚空を睨んで待つ。緊張は解かない。
 彼が睨んでいた空間が、くにゃりと歪んだ。その隙間から抜け出るように、長身の男が出現する。空間転移だ。
 男は第三の力を閃光玉として具現させたままの彼を見て、わざとらしく瞠目した。
「おや。私が来るのが分かっていましたか」
「てめえの臭いなんざ、百キロ先からでも嗅ぎ分けられるよ、星辰斗」
 口元に嘲笑と嫌悪と苛立ちのない交ぜになった笑みを浮かべ、彼は言い放った。相手――星辰斗も負けじと爽やかな笑顔で、
「それだけの力があるなら、もう調査は済んだみたいですね。ご苦労さまでした」
「やっぱり、てめえは腹が立つ奴だな!」
 怒鳴りざま、第三の力を相手に向かって投げ撃つ。辰斗は軽くそれをよけたが、彼は続けて砂塵除けの下から抜刀し、斬りかかった。
「おっと」
 辰斗の口からすかさず、ひゅっと鋭い息が発せられる。途端、目の前に青い透明な板が出現した。第三の力による盾だ。
 かまわず、正面から剣を振り下ろす。盾に刃が食いこみ、火花と閃光がほとばしる!
「うらあ!」
 反発する盾の力を強引に抑えこみ、ぎりぎりと剣を食いこませる。両手を突きだして盾を支える辰斗の端整な顔が、わずかに歪んだ。力と力が真正面からぶつかれば、彼に利はある。彼の方が力の放出量は上だ。
 だが。
 がくん、と膝の裏に衝撃を受けて、彼は膝をついた。
「?」
 両膝が光のリングに絡めとられたのだ。同時に腕もろとも胴、肩、そして額が同じリングに食いつかれ、彼は転倒した。
 簀巻き状態にされて、じたばたともがきながら、
「こっ、このやろお! ばーか、正々堂々と勝負しろ!」
「私にとっては正々堂々ですよ」
 辰斗は笑いながら言い、彼の手から剣を取り上げた。
「会った途端いきなり斬りかかってくるとは、さすがに瀬淳とでも褒めるべきなんでしょうね」
「ちっ、今日こそはてめえのふざけた顔、叩き斬ってやろうと思ったのに」
 彼――瀬淳は忌々しく言い放ち、そっぽ向いた。
 力だけならこの男には負けない。だが小癪なことに、相手はリュシで器用な真似ができる。力の制御があまりうまくない彼は、いつもこうして負かされてしまうのだ。まったく忌々しい。相手が九つも年上だけに余裕綽々で、「子供の遊びにしかたないからつきあってやっている」という態度なのも、ますます腹が立つ。
「用が済んだらさっさとエルシアに帰りやがれっ」
「来たばかりじゃないですか。もちろん私も忙しいので、アリーヤさまのそばにすぐ帰りますけど」
「この……っ」
 優越感たっぷりに言い返す辰斗に腹立ち、淳はリングの隙間から力の塊を投げつけた。もっとも、辰斗の力をこじ開けるのはそうとう無理があり、あっさりと避けられてしまう。
「やれやれ、相変わらず乱暴な子ですねえ、瀬一族の御曹司ともあろう者が」
 からかうように辰斗は文句を言う。
 淳はエルシア世界を代表するヌニェス一族の一つ、瀬一族の直系だ。族長瀬郁の長男で、年は十六になる。エルシア人たる彼がカマラ世界にいるのは、宮内庁使節部の特殊調査員だからだ。名前は立派だが、実態は外務省に組みこまれた異世界諜報活動員である。
 リュシの星辰斗とは一族の因縁もあり、顔を合わせればこうやって衝突する仲だ。辰斗の方は遊びでやっているきらいがあるが、淳はその油断を突いていつか殺してやると、本気で考えていた。
 淳には一族の対立以上に、辰斗を嫌う理由があるのだ。
「この分だとまだまだ帰還許可は出せませんね」
「うるせえっ、誰がてめえの許可なんか要るか!」
「それより、どうなっているんです、ジョイワールは」
 崖下に広がるジョイワール市を辰斗が顎で差す。
 赤茶けた街を覆い尽くす陽炎の帳。ノーマルには見えない世界の歪みだ。淳はそっぽ向いて無視したが、辰斗が薄気味悪い作り笑いでもって、彼の頭を靴で小突き、
「淳、答えなさい」
「……」
「淳」
「うるせえなあっ、外務省には報告してあるんだから、そっちを見ろ(・・)よ」
「あなたはそんな口をきける立場ですか。皇太子侍従として命じます、状況を口頭で説明しなさい。アリーヤさまにご説明申し上げる為です」
 傲然と命じられ、淳は口を曲げた。だが、その名を出されては抵抗できない。不承不承、
「二週間前の〈干渉〉からこっち、ずっとこんな状況なんだよ。歪みの中心は王宮だ」
「中に芯(・)がありますね。その中身は?」
「分からねえ。あの歪みのせいで中がまるっきり見えねえ。どうこう言う前にあの歪みを触ってみろよ。あそこは〈特異点〉と、よく似てる。押すと抜けちまう(・・・・・)んだよ」
「抜ける?」
「妨害シールド、あれは固いだろ。押すと反発されるってゆーか、力をずるずる消耗されるってゆーか。あそこは、回りは確かに固いんだ。でも、強引に入ってくと、急に向こう側にすり抜けちまう。強制的に迂回させられちまう。〈特異点〉とおんなじ感触だ」
「あそこに新たな〈特異点〉が発生したと言うんですか。でも、〈特異点〉が現れたなら、〈柱〉の君が放っておかれることはありません」
「放ってねえよ、ちゃんとくくられてらあ。じゃなかったら、今ごろジョイワールは〈海〉に呑みこまれてるさ。それより、このリング取りやがれ」
「エルシアの北セファーンにも、似たような歪みが発生しています」
 拘束リングはまったく無視して、辰斗は説明した。淳は眉宇をひそめる。初耳だった。報告を送るだけ送って、エルシアの情報など聞く気もなかったのだ。
「なんだ、そりゃ。〈干渉〉の影響か?」
「発生時期からして、そうとしか考えられないでしょう。今まで聞いたこともない事象ですが。それから、北セファーンには〈干渉〉の前からカマラ人が大量に密入界していたようです。現在、現地の民族主義者と結託して騒ぎを起こしていますが、その辺のことは分かりませんか」
「じゃあ、連中が〈干渉〉を起こしたんだろ」
 淳はせせら笑った。拘束されたままなんとか体を起こす。
「おおかたエルシアのバカ野郎どもを煽って、統一議会潰してエルシアを乗っ取ろうって腹さ。昔っから変わんねえ、なんとかの一つ覚えだ」
「カマラはクーデターが起きたばかりでしょう」
「だから、クーデター政府が企んでるのさ。カマラは沙漠が多いからな、エルシアの広い土地は魅力あって余り過ぎるもんだ。でも、統一議会が移民を許可しねえから、奴らとしちゃあ統一議会に代わる政府、移民を認めてくれる国家がエルシアの中に欲しい。ほら、民族主義者どもと利害が一致するだろ」
 勝ち誇って淳は自説を披露する。だが、辰斗はあまり気に入らないようで、曖昧に相槌を打った。
「そうですねえ……それが妥当というか、今までのパターンですよねえ」
「いちいち引っかかる言い方だな」
「いえ、今回は民族主義者が、統一議会の解体と一緒に皇帝制度の廃止も要求して、フリンカムでテロ活動を行ってるんです」
「皇帝制度の廃止?」
 オウム返しに訝る。異世界人が絡んだテロで、皇帝制度の是非を巡る問題が噴出することは今までなかった。〈柱〉を否定したら、〈回廊〉を渡って移民したいという目的と相反してしまうからだ。
「なんか変だな」
「でしょう? もう二カ所やられました。北セファーンでも統一軍と市街戦が始まってます。彼らの使用武器は統一軍からの流用品と、おそらくカマラ世界のものだろうと思われる不明品の混合。それからテロの目標がアリーヤ皇太子と思われる爆破計画書が見つかっています」
「なにい?」
 皇太子の名が出た途端、淳は目つきを変え、縛られたまま辰斗に食ってかった。
「アリーヤが狙われてるってどういうこと、どわあっ!」
 ひょいと辰斗がよけたので、淳はバランスを崩し、崖から飛びだしてしまう。宙を切った淳の体が重力に逆らって浮かび上がった。辰斗の仕業だ。
 彼は澄ました表情で、
「心配なく。アリーヤさまのご身辺は我々が万全を期してお守りしています」
「てめえなんかが信用できるか! やい降ろせ! 俺もエルシアに帰る! こんな僻地回りもうたくさんだ!」
 じたばたと体を芋虫のように動かして暴れる淳。自分では空を飛ぶことも空間を転移することもできないのだ。
「僻地回り」、つまり異世界の諜報活動だが、すでに淳は三年も故郷たるエルシア世界を離れ、複数の世界を回り続けていた。
 確かに、使節部に所属する瀬一族の何人かは、こうして諜報活動を行っている。表向きは淳もその一人で、次期族長としての下積みだと眷族には説明されていた。だが、彼は学校も途中でやめ、この任務に就かされていた。
 子供だから相手も油断するだろうという目論見もあるが、真の目的はまったく別のところにある。
「どれもこれも自業自得のことでしょう」
 喚く淳に辰斗が素っ気なく答える。
 この僻地回りは服役だった。彼はしてはならぬことをした。その罪をあがなう為、瀬郁は息子をエルシア世界から追放したのだ。そのことを一族の者は知らない。彼の罪を知っているのは、母親である瀬郁、その夫玄詳、皇帝皇后、皇太子、そして辰斗と星日鐘のみだ。
「帰りてええ。帰って、アリーヤを俺が守るんだ」
「私はあなたから殿下をお守りしないとなりませんけどね」
 辰斗の冷たいまなざしが淳の剣呑なまなざしとぶつかる。
「あれは、俺じゃねえ」
「よくまあ、そんな厚かましいことが言えるものだ。それと、アリーヤさまを呼びつけにするのはやめていただきたい。あのお方は皇太子で、私とあなたのあるじであられる方なんですから」
「あれは、俺であって俺じゃなかった。俺は利用されただけだ」
 辰斗の言葉を無視して淳は力説した。すると辰斗は呆れ返った様子で、
「当たり前ですよ。あれが本意だったら、今ごろあなたはこの世に影も形も残っていません。でも、あなたがやったことには間違いない、その罪はあがなわないと。
 あなたにはこの世界での役目があるでしょう。そしてそれは、結局はアリーヤさまの御身をお守りすることになるのです。たとえそばにいられなくても、目的は一緒なのだから同じでしょう?」
「そんな、おためごかしな話に騙されるか。アリーヤのそばにいなきゃ全然意味ねえよ。俺はアリーヤを愛している。あの子のそばにいて、あの子をこの手で守るんだ」
 頬を膨らまして言い放った淳だが、辰斗の表情を見て、ぎくりと顔を引きつらせた。
「じゅんちゅわあん?」
 優しいと言っていいまでの猫撫で声。淳は身を縮めながら、せいいっぱい虚勢を張って、
「な、なんだよ、文句あるかよ」
「そりゃあもう」
 辰斗が目をへの字にして、不気味な笑みを浮かべながら手招きする。その手にたぐり寄せられ、宙に浮いたままの淳は彼に引き寄せられた。そして、両頬を強く引っ張られる。
「今、不遜もいいところの、命知らずな発言をしたのは、この口かなあ。アリーヤさまをどうのこうのと聞こえたけど、もちろん空耳ですよねえ」
「あひゃひゃ。ふ、ふるへえっ。ほれはほんひだっ」
「薄汚い野良猫風情でも、言っていいことと悪いことの区別はつけないといけませんよう」
 口調はやたら陽気なのに、頬をつねる手にどんどん力がこもってくる。血管がちぎれそうな馬鹿力に淳は悲鳴を上げた。
「ひててて! ばか、はにしやはる!」
「アリーヤさまを二度と呼びつけにするなと言ったでしょう。まったく悪い口だ。そんなことだから畏れ多いことを考えるようになる。ちゃんとしつけておかないと、アリーヤさまにまたなにをやらかすか分からないな」
 聞こえよがしの独り言に、淳はカッと頭に血が上った。拘束リングに抑えこまれたまま、全身の第三の力が湧き立つ。
「アリーヤには二度となにもしねえって、あのとき誓った!」
 怒鳴りざま力を放とうとしたが、その前に口を口で封じられ、言葉とともに力も封じられてしまった。
「!!!」
 じたばたともがくが、宙では虚しく身が踊るだけだ。辰斗の舌がぬるりと入ってきて、全身総毛立つ。
 ようやく頭を振って、辰斗をもぎ飛ばした。辰斗は口元をぬぐうと、不敵に笑って、
「はい、ごちそうさま」
「し、舌入れられたあ。ひいいい、気色悪いい」
 淳は血相を変えて唾を吐き散らした。怒りと吐き気を伴う不快に涙目になってくる。
「この変態! なにしやがる!」
「だったらもう二度と、アリーヤさまを呼びつけにしないことですね。私があなたを殺さないであげている(・・・・・・・・・・)のは、あなたの瀬一族の若長という立場を利用したいからだけです。つけ上がらないでください、アリーヤさまのお役に立たなければ、あなたなんて生きている価値はないんですからね」
 冷然と辰斗は言い渡した。その有無を言わさぬ口調に淳は口をつぐみ、反論するタイミングを逸してしまう。
 反論しなかったせいか、拘束リングが消え、淳は地面に落とされた。
「では、調査を続けてください。カマラ人密入者がクーデター政府と関わりあるか、王宮中心の芯はなにか突き止めてくださいよ。そして、ちゃんと報告するように。外務省とは別に」
「……けっ」
 リングに締めつけられていた手首をさすりながら、淳は唾を吐き捨てた。やれやれと言わんばかりに辰斗が肩をすぼめる。
「淳」
「なんだよっ」
「アリーヤさまは今日はお元気ですよ」
 たったそれだけだった。たった一言の報告だが、淳の体の中に速やかに広がり、腹立たしさや憎悪の感情が一瞬で失せる。
「アリーヤ」
 淳は目を細めた。
 あのきれいな少女に最後に会ったのは、もう三年も昔だ。瞼の裏にはあのときのままの姿が鮮明に残っている。
 清らかで、冴え渡る月の光を放つ少女。彼をまっすぐ見据え、その艶やかな唇で彼の名を呼んだ。あのとき、彼は恋に落ちた。
 彼女の胸に光の刃を突き立てながら、彼は皇女に永遠の服従を誓った。
(俺の皇女。俺の命。俺のすべて)
 彼女がいるから自分はここにいる。彼女がいなかったら、この世にいる意味なんてない。生きる希望。彼女の笑みを守る為に、自分は生きているのだ。
「アリーヤに、俺のことを――あひゃひゃ」
 辰斗にもう一度頬をつねられ、淳は呻いた。笑顔で額に青筋を立てている辰斗を見て、この男と自分は絶対相容れないが、アリーヤを守るという点で同種なのだと、改めて思い知る。
 淳はしぶしぶ、
「アリーヤ皇太子に、俺のことをよろしく伝えてくれ。俺は、決して、あなたを裏切らないと。あのときの俺はいないと」
「それは本当のことでしょう。記憶が残っていれば、誰があなたをけしかけたかすぐに分かるというのに」
 憮然と辰斗は言うと、次の瞬間には姿を消していた。彼自身は世界間を移動することはできないので、どこかで待機している界渡り能力者の元へ戻ったのだろう。
(本当に嫌な野郎だぜ)
 淳は辰斗のいた空間に砂を蹴り上げた。自分ばかりがアリーヤのことを慮っていると思いこんでいる、独善的な男だ。崇拝に似た忠誠でもって、アリーヤを神に祭り上げようとしている態度も気に食わない。誰にも触れさせないよう無菌室に閉じこめ、自分だけ眺めて楽しもうとしている変態だ。
(俺がアリーヤのそばにいてやれれば)
 あの子を幻想から救ってやれるのに。
 淳は辰斗が消えた痕跡を凝視した。

       ※

 北セファーン自治区区都マチェスター市で、民族主義ゲリラと統一軍が衝突したというニュースは、速報で全世界に流れた。
 そして、同じ日に起きた二回目のフリンカムでの爆破テロの直後、各マスコミに「北セファーン革命共同戦線」と名乗る組織からの声明文が送られてきた。
 その声明文には、共同戦線には北セファーンの複数の民族主義団体が参加しており、統一議会の解体と民族国家樹立への承認を勝ちとる為、ともに戦うことが宣言されていた。
 マスコミは、ゲリラを追いつめると三度目のテロを起こすと声高に叫び、結果として自らゲリラを煽動した。そして、犯人を逮捕できない警察、霊能庁の不手際を非難し、犯人の標的とされたアリーヤ皇太子をどうするべきか、あげつらった。
 人々の多くは皇太子に同情したが、それと同時に、「街の保全の為にアリーヤ皇太子をフリンカムから移すべきだ」と言い始めた。
 そして翌日、アリーヤ皇太子は統一議会からの要請を受けて、一時フリンカムを出ることとなった。

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