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◇遺言とは

 

遺言は、遺言をした人の最終の意思を尊重し、その方の死後、その意思を実現させるためのものです。15歳以上になればどなたでも遺言をすることができます(ただし、意思能力があることが必要)。

 

 そして、遺言をするかどうかも、遺言の内容も、一度した遺言をやめることもその方の自由です。

ただし、遺言は法律で定められた方式に則ってしなければ有効なものと認められません。法的に有効と認められないとせっかく遺言書を作ってもその内容が実現されないことになってしまいます。

 

 なお、遺言は必ず単独(1人)で行わなければなりません。どんなに仲の良いご夫婦でも共同で1つの遺言をすることはできません。(共同遺言の禁止)

 

◇遺言事項

 

 遺言できる事項を「遺言事項」といいます。遺言事項は法律で定められており、それ以外の事項については遺言書に記載しても法的な効力はありません。遺言事項として主なものを以下に掲げます。

 

○遺産の処分に関する事項⇒遺贈、生命保険金の受取人の指定変更など

○相続人関する事項⇒相続人の廃除またはその取消し、相続分の指定、遺産分割方法の指定・遺産分割の禁止など

○身分上の事項⇒認知、未成年後見人・未成年後見監督人の指定

○遺言の執行に関する事項⇒遺言執行者の指定

○その他の事項⇒特別受益持戻しの免除、祭祀主宰者の指定

 

なお、遺言者の気持ちや希望を遺言書に記すこと自体が否定されているわけではありませんので、遺された方々に伝えたいことなどを遺言書に記載することもあります。

 

◇遺言書の種類 「リーフレット(PDF)」

 

遺言の方式は大きく「普通方式」と「特別方式」の二つに分類することができます。

「特別方式」は、重病で死期が迫っているとか、伝染病で隔離されているとかのまさに特別な状況にある場合にのみ認められているものです。ここでは、一般に利用されている「普通方式」について説明していくことにします。

普通方式はさらに「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」及び「秘密証書遺言」の三つに分類されます。以下、それぞれの方式について少し解説します。

 

○自筆証書遺言⇒遺言をしようとする方が、遺言書の全文(添付資料も含めた全て)、日付及び氏名を自署(自分で書くこと)し、押印して作成します。もっとも簡単に作成することができますが、紛失や改ざん、相続時に発見されないなどのリスクがあります。また、法律で定められた要件を満たしていないと有効な遺言とはならないこと、遺言内容が不明確であったりするとその解釈に関し争いが生じたりすることがありますので、専門家の関与なしに作成することはあまりお勧めできません。また、遺言者が亡くなった後、家庭裁判所の検認手続が必要であり、この手続が終了するまで(概ね1ヶ月以上)遺言書の内容を執行することはできません。

 

○公正証書遺言⇒遺言をしようとする方が公証人役場へ行き、公証人の面前で遺言内容を伝え、公証人が遺言書を作成します(病気などの理由で公証人役場に出向くことができない場合、別途費用はかかりますが、公証人に出向いてもらうことも可能です)。法律のプロである公証人が作成しますので、法的な不備が問題となることはほとんどありません。遺言書の原本が公証人役場に保管されるので紛失や改ざんの心配もありません。また、家庭裁判所の検認手続が不要なため、速やかな遺言執行が可能です。多少費用はかかりますがもっとも確実な遺言方式です。

 

○秘密証書遺言⇒遺言をしようとする方が遺言書を作成し、署名、押印、封印したものを公証人役場へ持っていき、公証してもらう方式です。改ざんのおそれはなくなりますが、紛失の可能性はあります。また、遺言書の内容自体に公証人は関与しませんので、内容・方式の不備が問題となる可能性があります。しかし、内容を他の誰にも知られたくないという場合にはこの方式によるほかありません。なお、家庭裁判所の検認手続が必要なことは自筆証書遺言と同様です。

 

いずれの方式も一長一短があり、一概にどの方式がよいということは言えません。作成する際の手間とコスト、相続時の手間とリスクなどを考えてどの方式で作成すべきか決める必要があります。

 

 

自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言

費用

低い

高い

家庭裁判所

の検認手続

必要

不要

必要

紛失、改ざん

のリスク

高い

なし

無効とされる

可能性

可能性あり

ほとんどない

可能性あり

秘密の保持

可能

公証人及び証人には知られてしまう。

可能

証人

不要

2人以上必要

2人以上必要

 

◇自筆証書遺言の作成

 

 遺言書の本文、日付及び氏名を自署し、押印して作成します。なお、法定の要件とはされていませんが、一般的には封筒に入れて封印をします。

○本文の自署⇒全てを自身の手で書きます。財産目録など遺言書に添付する資料も含め全て自身の手で書く必要があります。ワープロを使うこともできませんし、代筆も認められません。テープレコーダーに録音したものも、ビデオに録画したもの(*)も認められません。筆記具としては、鉛筆などの後で消すことができるものは不可です。ボールペンや万年筆などを用います。なお、障害などで文字が書けない場合は、この方式によることはできませんので、公正証書遺言か秘密証書遺言を選ぶほかありません。

     *:遺言者本人が確実にご自身の意思で遺言をしたことの証拠として、自筆証書遺言を作成しているところをビデオに録画しておくこともあります。ただし、遺言の有効無効やその内容を争う際の証拠となることはあっても、そのビデオ自体が遺言として認められることはありません。

○日付の自署⇒年月日の記載がないものは基本的に無効となります。(裁判例では特定できれば可、としたものがありますが、無用な混乱を防ぐためにも必ず「年月日」を記載すべきでしょう。)

○氏名の自署⇒氏名も自署をします。これも無用な混乱を防ぐためには、戸籍上の正式な氏名を略さずに自署すべきでしょう。

○ 押 印 ⇒印鑑は認印や拇印でも差支えはないのですが、偽造や改ざんをできるだけ防ぐため、後のトラブルを避けるためには、実印を用いることが望ましいと言えます。

○ 封 印 ⇒必ずしも封印をする必要はありませんが、一般的には、表面に「遺言書」と、裏面に「開封せずに速やかに家庭裁判所の開封・検認手続を受けること、年月日、氏名」と記載し、遺言書に押印した印鑑と同一の印鑑を押印します。

 

※遺言書が複数枚になった場合

複数枚でも一つの封筒に入れて封印がしてあれば同一の遺言書とみなされますし、法律上、契印(紙の綴目にする押印)などの定めはありませんが、偽造防止、トラブル回避のためには契印をしておいた方がよいでしょう。

 

※遺言書の訂正方法

 作成途中で間違えてしまった場合の訂正方法も法律で決まっています。この方法に従わずに訂正をすると、訂正がなかったものとして扱われてしまいます。とても厳格なため、ご自身で遺言書を作成し、訂正をすることはリスクが高いと考えますので、ここにはあえて掲載しません。ご自身で遺言書を作成される場合は、訂正のない形で書きあげるか、訂正方法だけでも専門家に相談することをお勧めします。

 

◇公正証書遺言の作成

 

 遺言をしようとする方が公証人役場へ行き、遺言内容を公証人に伝えて、その内容をもとに公証人が作成します。

 公正証書遺言を作成するのは公証人ですが、遺言内容を決定するのは遺言者ですので、どのような内容にするのか事前にしっかり整理しておく必要があります。

 公正証書遺言をするには証人の立ち会いが必要です。未成年者、推定相続人などは証人となることはできません。ご自身で証人を用意できない場合は、公証人役場で用意してくれます。証人と言うとなんだか仰々しい感じもありますが、実際には遺言書の作成時に立ち会ってもらうだけです。(11万円程度の費用が必要)

 

○用意しておくもの

 ・実印

 ・印鑑証明書

 ・相続人や受遺者の戸籍謄本または抄本、住民票など

 ・財産目録、不動産の登記事項証明書

 ・固定資産税の評価証明書など相続財産の額を算定するのに必要な資料

(公証人手数料は財産額を基準に決定されます。)

 ・その他事前の打ち合わせで公証人から指示されたもの

 

○公正証書の作成手数料(公証役場に支払う手数料)

相続する財産の価額

手数料

100万円まで

16,000

200万円まで

18,000

500万円まで

22,000

1,000万円まで

28,000

3,000万円まで

34,000

5,000万円まで

40,000

1億円まで

54,000

3億円まで

43,000円に5,000万円までごとに13,000円を加算

10億円まで

95,000円に5,000万円までごとに11,000円を加算

10億円を超える場合

249,000円に5,000万円までごとに8,000円を加算

 ※遺言の場合は、目的の価額が1億円まで11,000円が加算されます。

 

 

◇秘密証書遺言の作

 

 遺言をしようとする方が自分で遺言書を作成し、封印したものを公証人役場に持参し、公証人及び2名以上の証人の前で「自身の遺言書である」旨、住所及び氏名を述べます。公証人は、封紙に年月日及び遺言者の申述を記載し、遺言者、証人及び公証人がそれぞれ署名、押印して秘密証書遺言が完成します。

 

◇遺言をした方がよいケース 「リーフレット(PDF)」

 

 遺言書は必ずしも全ての方が作成する必要があるものではありません。作成する必要がないと思われる方もいれば、作成すべきと思われる方もいらっしゃいます。遺言書には、遺言者の意思を実現するためという以外にも、遺された方の生活を守るという、いわば保険的役割もあると私は考えています。

 

以下に遺言をした方がよいと考えられるケースの例をお示しします。

 

事例

必要となる具体例

子供がいない

 子供のいないご夫婦で、両親は既に他界、兄弟はいるという方が亡くなったときの相続人は、配偶者とご兄弟となります。全財産を配偶者に残したいのであれば、遺言をしておく必要があります。

※遺産分割でもめる可能性が一番高いケースかもしれません。お子さんがいらっしゃらないご夫婦は是非とも遺言をしておくことをお勧めします。

内縁の配偶者がいる

 内縁の配偶者は相続人となることはできません。内縁の配偶者に財産を残したい場合には、財産を渡す(遺贈する)ことを遺言書に書いておく必要があります。

※このケースは必ず遺言をしておくべきだと思います。

先妻との間に子供がいる

 このケースでは、財産をどのように配分するのか、相続人間での話し合いが難しい場合があります。遺言者自身の意思を示しておいた方がよいかもしれません。

認知していない子供がいる

 生前の間は認知できない(したくない)が、自身の死後は相続人として財産を分与したいなどの場合、遺言で認知をすることができます。

特定の相続人に財産を多く渡したい

 面倒をよく見てくれた子供とそうでない子供との相続分に差をつけたいということがありますが、遺言をしていない場合は、法定相続となり、子供同士の間では相続分に差はありません。差をつけたい場合は、遺言書にその旨を明記しておく必要があります。

相続人ではないが財産を渡したい人がいる

 遺言がない場合、相続財産は全て相続人が引き継ぐことになります。相続人でない方に財産を渡したい(遺贈する)場合は、遺言書にその旨を明記しておく必要があります。

財産を渡したくない相続人がいる

 相続人となる者から暴行、暴言等の虐待を受けたなどの事由があるときは、相続人から廃除することができます。

相続人の中に行方不明の者がいる

 遺言執行者を決めておくことなど、適切な遺言書があれば相続発生後の煩雑な手続きを省略できることがあります。(遺言書がない場合は、不在者財産管理人選任申立て、又は失踪宣告の申立てなど家庭裁判所に対する手続きが必要となり、時間と費用を要することになります。)

財産を寄付したい

 慈善団体などに寄付をしたいが、死ぬまでにどれだけお金が必要かわからないので、生前に寄付をすることはしたくないという場合、遺言で相続財産を寄付することができます。

 

 

◇遺言書の保管について

 

 公正証書遺言であれば、原本が公証役場に保管されるため紛失等の心配はありません。しかし、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合には、遺言書をどこにどのように保管すればよいのか、というのは非常に大事な問題となってきます。

(公正証書遺言が保管の心配が全くない、ということではありません。)銀行の貸金庫に預ける、自宅の金庫に入れておくなど簡単に他の人の手が届かないところがよいのですが、あまり厳重にしすぎると亡くなった後に発見してもらえないということにもなりかねません。信用のできる方数人に、遺言をしたこと、何処にしまってあるのか伝えておくことも必要かもしれません。

 

 

 

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