千種アルパインクラブヘッダー
千種アルパインクラブ会員募集中
千種アルパインクラブ会の紹介
千種アルパインクラブ入会案内
千種アルパインクラブ山行記録
千種アルパインクラブCACブログ
千種アルパインクラブ年間行事
千種アルパインクラブ写真集
千種アルパインクラブリンク集

八ヶ岳石尊稜

期間: 2009年1月6日
メンバー: 市川


単独登攀に以前から興味があったので、雑誌や記録などから登攀システムを自分なりに学んできたが、平日に休みが取れ、運良く晴れ予報が出ていたので、手頃な石尊稜で試してみることにした。

美濃戸口(0度、雪)2:20−4:30赤岳鉱泉(−10度、小雪)4:50−6:20石尊稜取り付き(−16度、晴れ)6:50−8:502ピッチ目終了点9:10−10:10上部岸壁基部(−20度)10:30−11:00石尊峰11:10−12:20行者小屋(−8度)12:40−14:20美濃戸口(−2度)


*     昨年4月に阿弥陀北西稜に行った際、私の車(トヨタbB)では美濃戸山荘までの林道で底を擦りまくったので、今回は美濃戸口からスタート。美濃戸口で仮眠するつもりだったが、あまり眠くなかったのでそのまま歩き出す。林道は、わだちや大穴が砂利で埋められたようで、車高の低い車でも入れそうなほど状態は良くなっていた(2つに分かれる部分では北側の道)。仮眠しなかったので、赤岳鉱泉についてもまだ真っ暗。石尊稜へのアプローチに不安を覚えながら行者小屋方面に歩き出すが、案の定、中山尾根と分かれる峠まで登ってしまう。「中山尾根に変更しようか」という誘惑にちょっと駆られたが、中山尾根は怖いので、登ってきた道を戻ることにする。赤岳鉱泉近くまで戻り、石尊稜へのうっすらと残るトレースを発見。それに沿って進む。暗いので尾根の状況は分からないが、たぶん三叉峰ルンゼ方面に向かっているようだ。随分上がったところで、薄いトレースは右の尾根に上がった。それに導かれるように急傾斜の尾根に上がり、下部岸壁まで凍った草付きを四つんばいになって登る。5センチぐらい新雪が乗っていて、体が慣れない早朝は怖い。

*     下部岸壁取り付きには真新しいペツルが2本打たれていた。登攀準備をしていたら明るくなってきた。東の空は雲海だった。首からぶら下げられるように一部改造したグリグリをハーネスに付け、ロープの片方を流動分散で2本のペツルにセット。サブザックには反対側からロープを詰め込み、それを背負ってスラブ壁を登り始める。数m登るごとに、背中のザックからロープを繰り出し、グリグリを通して、ヌンチャクなどにクリップする。もし落ちてロープにテンションがかかると、グリグリがロープを圧迫して止まるはず。約30mでペツルとリングボルト4本の確保支点があり、流動分散でロープを結び、取り付きまでヌンチャク等を回収しながら懸垂下降。取り付きにデポしたメインザックを担ぎユマールで登り返す。次のピッチの雪壁も同様に繰り返し、切り立った雪稜に出た。この2ピッチで2時間かかり疲れた。

*     上部岸壁までは雪壁と雪稜。トレースは消えていて、くるぶしからひざまでの新雪に苦しみながら登る。上部岸壁は3級。終了点の確保支点はないと思われるし、岩も難しそうではないので、ロープレスで登ることにする。最初の数歩が、スラブにアイゼンを突き立てなければならず嫌らしいが、そこからは簡単。大きなピナクルにまたがって足ブラで休んだりしながら石尊峰頂上まで。赤岳頂上まで行くつもりだったが、かなり疲れたので、足がふらふらと地蔵尾根方面に向かってしまい(笑)、そのまま行者小屋〜美濃戸口へ下山した。


【単独のシステムについて】

(1) ロープはフリー用の10・5ミリを使用。9ミリの方が軽くて理想だが、自宅で練習した際にはロープが細いせいでグリグリがロックしなかった。いま流行のフリー用の9・8ミリとかを試してみるといいかも。今回は緩傾斜のスラブと雪壁なのでバックロープは使用しなかった。

(2) 2ピッチ目になると、ループがキンクして両手でグリグリを通さなければならないこともしばしば。これでは両手が離せないような急傾斜の壁では進退極まってしまいかねない。キンクの理由は、サブザックにロープの入れ方が悪いのか、グリグリに通す位置が悪いのかは不明。

(3) 簡単な下部岸壁2ピッチで2時間もかかり、体力も相当消耗した。単独をしようとする場合は、フリークライミングの技術レベルを上げ、簡単なところはできるだけフリーソロで上がり、本当に危ないところだけロープを使うことを考えないといけないと感じた。

(4) グリグリの信用性は薄いと感じた。体がまっすぐ足から落ちた場合は中間支点で止まる可能性はあるが、頭が下になったりゴロゴロ回転しながら落ちたらグリグリがロックするかどうか分からない。今回は、ザックに入れた反対側末端にエイトノットを作っておき、最悪でもそこで止まるようにした。

(5) 確保支点の問題も大きい。下部岸壁では、真新しいペツルや丈夫なブッシュが使えたが、支点が得られないと、懸垂できないため、ロープやメインザックが残置になってしまう(涙)。

(6) パートナーとクライミングする場合と違うのは、カラビナを開け閉めしたりする回数が多いこと。集中力が欠けると、ものをなくす可能性が高い。今回も1ピッチ目終了点で、ヌンチャクから手を離したら、谷底に落ちていった(涙)。

(7) ギアは、ヌンチャク5、空カラビナ5、環付き3、エイリアン3(各カラビナ付き)、ロックス3(カラビナ1)、ユマール2(各カラビナ付)、スリング各種。これでも、環付きと空カラビナが足りなかった。

(8) 単独のシステムについてはロクスノ誌上で、カラファテのジャック中根氏が解説していたので、それを参考にした。


以上