千種アルパインクラブヘッダー
千種アルパインクラブ会員募集中
千種アルパインクラブ会の紹介
千種アルパインクラブ入会案内
千種アルパインクラブ山行記録
千種アルパインクラブCACブログ
千種アルパインクラブ年間行事
千種アルパインクラブ写真集
千種アルパインクラブリンク集

穂高岳屏風岩東壁ルンゼ

08年9月10日〜11日
メンバー: 曽我謹昭(報告)、井戸弘子


9月10,11日と平日の穂高屏風岩へ行ってきましたので報告します。

概況は、両日共に晴天で雲ひとつない上天気でしたが、寒気の入り込みで朝夕日が陰ると肌寒さを感じました。平日と言うこともあり沢渡の駐車場も、車が少なく閑散としています。上高地から横尾の銀座通りもチラホラの登山者しか見かけませんでした。屏風岩も、11日にワンパーテーが雲稜に取付いていた以外誰もいず、静かな岩場を独占しました。紅葉はまだ早く,ポツポツ見る程度です。

【行動記録】

10日 5:45 沢渡発ー 上高地6:00−横尾9:00ーT4尾根取付10:30−下部岩壁取付
11:00−T3 14:30−T2にてビバーク。

11日 T3 6:00−終了点12:00−東稜懸垂ーT2 15:00ーT4尾根下降ー取付き16:00−
横尾17:00−上高地20:00ー沢渡22:00

【登攀内容】

井戸さんと、早朝乗り合いタクシーに乗り上高地へ。平日で登山者の少ない中、横尾へ急ぐ。横尾からの登山道は河原沿いに石積みで整備され、岩小屋跡までの所要時間が少し短縮できた。   

岩小屋前から河原へ入り込み、対岸の1ルンゼ押し出しをめがけて梓川を渡渉するが、今回はロープが張られており濡れずに渡る事が出来た。日差しが強く汗をかきながらT4取付きに向かう。ルンゼから左の雑草のふみ跡へと移り、取付きに着。取付きで装備を付けアプローチシューズをデポし、下部岩壁の取付きへとふみ跡を下降する。

下部岩壁は左上する草付きの凹角から始まる。2ピッチ目で右のスラブに回り込みピッチを切る。そこから直上は別ルートだ。少し回りこんでからスラブに打たれたボルトを直上するが、リングが取れて無いのが多く、腐ったような3ミリのスリングにアブミを掛けて乗り込むのはいつもの事ながら冷や汗ものだ。

直上後右に振り子トラバースして三日月型にえぐれているレッジでピッチを切るが、レッジ左に汚いスリングがぶら下がっており、それをつかんでトラバースし振り子はパスした。さらに80度ぐらいのスラブを登り、2ピッチ目で左にトラバースして暖傾斜帯に入り、コンテで直上しT3に着く。

時間的には少し早いが今日はビバークとする。T3は無理なので広く4人程が寝れるT2へと移動。今日の屏風は井戸さんと僕の2人しかおらず静かな岩壁を独占できた。日が暮れだした頃夕食のラーメンを半分ずっつ食べ少し寒くなりだしたのでシュラフカバーにもぐる。

夜は冷え込んでシュラフカバーだけの野晒し状態では寒くて何回も目が覚めた。

15日。目の前に広がる蝶、常念の稜線が黒く浮かび上がり、その上空には今日も雲ひとつ見当たらない。シュラフカバーに下半身を入れたまま朝飯のラーメンを半分ずつ食し、明るくなり出した頃登攀具を身に付ける。T3まで移動し、カバーやコンロなどいらない装備をデポする。

見上げる東壁ルンゼはルート上の三つのハングもよく見え、全体に圧し掛かるような傾斜の強さに、登攀の意欲が増すと言いたいところだが、その迫力にテンションもやや下がるのは年のせいだろうか。

上部岩壁は、3メートルほど上から始まる長さ30メートルぐらいの、凹角下に開いた横向きのチムニーから始まる。2,3歩チムニーに入り込み左にでるまでが悪い。そのまま凹角沿いに登り、小さなハングを乗越し右上してビレイする。つぎはフェースを直上し2メートルほどの庇状のハングを超えるのだが、体が宙吊りとなりアブミ乗ってフイフイをピンに掛けるのに腕力を使う。それから三つ目のへの字ハングまでは、人工とフリーを交へ右へ左へとルートを読むのが難しい。凹角から草つきへ入り、への字ハング下の少し広めのテラスに着く。このテラスは二人ぐらいはビバーク出来そうだ。テラスからは右に斜上し、への字の右下辺りを乗越すが張り出しが斜めになっており、壁に足が着いて登りやすいが抜け口から上の所のボルトが抜け落ちており打ち足すのに時間を食う。ハングから上はフリーを交えながらの人工で、ピンを探しながら登り

潅木帯にもぐり込んで終了点に着く。

下降は、東稜を5ピッチの懸垂下降でT3横に降り、デポを回収してT4尾根を下り梓川を渡って横尾につく。

上高地の最終バスには当然間に合わず、沢渡まで歩こうと、井戸さんと話しつつ駆け下るが、上高地に着いたのは20時頃だった。途中、徳沢で井戸さんにソフトクリームを奢って貰ったが冷たくて旨かった。上高地で見知らぬオッサンに熊が出るから気をつけろ、と脅されながらも釜トンネルの出口に着く。釜トンからは国道、二人が荷物を担いで歩くのは馬鹿らしいので井戸さんを出口に残し、一人で歩くが、坂巻温泉を越えて少し行った辺りで、井戸さんがチャーターした上高地のホテル、千畳敷の従業員の車に拾われて沢渡に着く。足湯に浸かり、定光寺に着いたら翌日だった。

追記 井戸さんをビレイしている時、何度かブツブツ話しながら登ってくるので、何かと聞いたら、独り言だと言う。前に、樺沢さんと登っている時も同じであった。女性は皆、登る時はブツブツ言いながら登るのかなと思い、次回の滝谷に参加する女性人も同じか、観察してみようと思う。