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錫杖岳・左方カンテ


【山行期間】           2008年7月12日〜13日 
【メンバー】             浅野(清)、浅野(直)、辻、岩佐(報告)
【行動記録】           7月12日: 名古屋==新穂高温泉 P
                          7月13日: P−−〔錫杖岳・左方カンテ〕−−P==名古屋


【報 告】

7月12日(土)

今回の山行は私にとって記念すべき本チャンデビュー。錫杖の山行計画が出た時に「私も行きたいです。」と参加表明したものの、果たして本当に登れるのか不安な気持ちでパッキングをする。17:15に地下鉄 堀田駅 で辻さんと一緒に浅野夫妻にピックアップしていただき、一路新穂高温泉を目指す。20:45頃新穂高温泉に到着。駐車場にテントを張り、ミニ宴会で暫し会話を楽しみ本チャンデビューの緊張をほぐす。明日は4時起床と決まったため、1時間ほどで宴会を終了し、22:20に就寝。

7月13日(日)

前の晩暑くて寝苦しく夜中に何度か目が覚めたが、4時になったので起きてシュラフを片付ける。朝食を手早く済ませて準備を整え、4:45に駐車場を出発。今日はお天気が良く気持ちが良い。「今日は、何とか雨に降られずに登れますように」と祈りながら、波多野さん率いる先発隊に合流するために錫杖沢岩小屋に向かう。

沢を渡り暫く歩くと、浅野(清)さんから前に錫杖が見えると言われ、顔を上げた。目の前には写真で見た錫杖岳がそびえ立っている。今日登る左方カンテがどの辺りかを教えていただき、「御在所の一の壁でも冷や汗が出たのに、あんな垂直な岩壁登ることができるのだろうか」と心配になったが、気を取り直してカメラを出し、朝日を受けて美しい黄金色に輝く雄姿をしっかり写真に収めた。

うっかりすると見落としそうな錫杖沢分岐からは、沢沿いに岩小屋を目指して歩いていったが、岩場を歩きなれていない私はへっぴり腰で遅れを取らないように皆さんの後に着いていく。途中で大きな岩を木を掴んで登るところがあり、浅野(清)さんと辻さんは難なく上に行けたが、私は不覚にも右手で枯れた木の枝を掴んでしまい、それが抜けてそのまま左側の沢に転がり落ちてしまった。浅野(直)さんが落ちないようにとザックを掴もうとしてくださったのが分かったが間に合わず、草などを掴んで落ちるのを止めようと試みるも、その努力も空しく仰向けのままプールのようになった沢に滑り落ちた。目を開けると顔の上に水面が見える。「しまった!」と思った時には、右目のコンタクトレンズが水に流されてしまった。上からは皆さんの「大丈夫?」という心配そうな声が・・・。「アプローチからこんなふうでは、左方カンテなんて無理なのでは」とかなり落ち込んだが、幸い怪我も無く再び岩小屋に向かって出発。(「次回からコンタクトレンズは予備にもう1セット持ってくるべき!」と思いましたが、それより沢に落っこちないような歩き方を学ぶ方が大切ですね。)

07:00頃先発隊の皆さんが待つ岩小屋に到着。前日の大宴会にもかかわらず、皆さん清々しい顔つきで二日酔いの人は一人もいない様子。5月の総会の時に初めてお目にかかった瀧根さんや飛騨山岳会の人たちもいて大勢で賑やかだ。この日はCACの先発隊の中村(春)さんと、山田(覚)さんが我々と一緒に左方カンテを登ることになり、中村(春)さんリード、辻さん、浅野(直)さんのパーティーと、浅野(清)さんリード、山田(覚)さん、岩佐の二つのパーティーに分かれ、取り付きに向かった。

7:40に取り付きに到着。装備を身につけ、浅野(清)さんのパーティーからいよいよ1ピッチ目の登攀開始。自分の登る番になり、ちょっと緊張気味ながらもこれまでに教わったことを思い出しながら登っていく。CAC山行記録文集の花田さんの錫杖報告には、チムニーのところで新調したサブザックがボロボロになったというコメントがあったが、成程狭くて私の縦走用の厚めのザックもしっかり岩にひっかかり、初っ端からなかなか抜けられなくて苦労する。それでも何とか抜けて登り、ビレイポイントに到着。セルフビレイを取ってホッとひと安心。その後2ピッチ、3ピッチと全部で6ピッチを登っていくが、何しろ初めての本チャン登攀だったため登るのに必死で、こうして報告書を書いている今、それぞれのピッチがどんなふうになっていたのかが頭の中でごちゃ混ぜになっている。そんな曖昧な記憶ながらも6ピッチの内一番難しいと思ったのは、最後のピッチの終盤部分。多少かぶり気味になっており、ここまで来るのにかなりエネルギーを使っていてホールドを掴む指に力が入らない。ずり落ちそうになるのを必死にこらえ「さあ、どうしたものか」と悩みながら何の気なしに下を見ると、自分が今どんなところに張り付いているのかが分かり、タラリと冷や汗が・・・。上で待っている浅野(清)さんや、他のパーティーの人たちが見え、あと少しだとは分かってはいるのだが、腕が疲れていて立ちこんだ時に果たして岩に張り付いていられるか自信がなく、怖くてなかなか足に力を入れられない。私の後ろにも登ってくる人達がいるため、早く登らなくてはと気ばかりは焦ってもなかなか思い切って次の動作に移れずに困った。それでも何とか登りきり、上に着くことが出来た時は本当に嬉しかった。全員が上に着いたのが11:40。その後昼食をとり、12:30に懸垂下降開始。14:40には取り付きに降りて、岩小屋に15:20に到着した。

リードの浅野(清)さん。山行企画、指導、そして運転とお疲れ様でした。 山田(覚)さんも、錫杖は今回が初めて。 辻さん、あと少しです。頑張って! 6ピッチ目の核心部を登る浅野(直)さん。

今回の登攀では、個人的には「どんな方法でもよいからとにかく落ちずに登る」ということのほかに、これまでに教えていただいたマルチピッチと懸垂下降について、基本的なことを間違えずにきちんと行なうということが目的の一つだったため、これまでに教わったことを思い出しながら一つ一つ手順を確認して次の動作に移るように心がけた。それでも、懸垂下降の時には、ATCとバックアップを取った後で、手袋をはめる前にセルフビレイを解除しそうになり、浅野(直)さんと中村(春)さんから、「セルフビレイをはずす前に手袋をはめて!」とご指摘いただいた。確かにセルフビレイをはずしてしまったら、いつでも制動がかけられる状態でなければならないために手袋をしていて当然。注意を受けた時には、自分のミスにヒヤッとした。また、懸垂下降の際、スムーズに下降することが出来ず、皆さんから制動手の位置や体をもっとしっかり後ろに倒すことなどのアドバイスをいただき、最後の下降では何とか形になったが、やっぱりもっともっと練習が必要だと思った。

この日は懸垂下降の途中でにわか雨があり、慌てて合羽を着る場面もあったが、御在所の時のような大雨にはならずに止んでくれてホッとした。雨の後にはまた太陽が顔を出し、事故も無く無事に全員下降出来た。みんなが待っている岩小屋まで戻ると、瀧根さんに記念撮影をしていただき下山開始。下山後は汗を流すために温泉(「平湯の森」入浴料500円)に行き、露天風呂につかり温泉のレストランで食事をして解散、19:15に帰途に着いた。

先週末の御在所に引き続き、新人の私たちのために貴重なお休みを返上して錫杖山行をご計画いただいた浅野(清)さん、そしていつものように色々と指導してくださった浅野(直)さん、そして中村(春)さんに感謝します。こうして無事に左方カンテを登ることが出来、夏合宿に向けて相変わらず不安はあるものの、少しだけ自信が持てました。合宿まであとひと月ほどですが、これまでに習ったことを忘れないように復習しておきます。合宿が楽しみです。