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阿弥陀岳南稜

2007年2月19日
千種アルパインクラブ西村・勝野・日置(記)

19日02:00定光寺
   06:30舟山十字路
   15:00P3
   16:00阿弥陀岳山頂
   20:30舟山十字路
20日01:00定光寺

夏山の縦走を主にやっていた私にとって、憧れであったクライマーの
世界に一歩踏み込む日がとうとうやってきた。
定光寺に集まり船山十字路まで車で移動。到着し直ぐに準備にかかる。
ひとつひとつ装備を確認しながらパッキングをはじめると嬉しくなった。
念願のホンチャンデビューだからだ。
どこをどう歩いて行くのか正直なところわからなかったが、
とにかく西村さん勝野さんに付いて行く。
途中斜面を登る個所があり、テカテカに凍っている。
不安定な歩きの私は頭の中で「こんな所をよく
平気で歩いていくなぁ」とぼやいていた。そんな私に勝野さんがピッケルを持たせてくれた。
僕はまだまだだなぁと反省。
しばらくすると、積雪がヒザの辺りになる。それでも、せっせとトレースしていく
西村さんと勝野さんの強さを目の当たりにした。二人に遅れないように
なんとか付いて行くのが精一杯であった。
尾根をトレースする個所があり、壷足で行くよりは四つん這いになり
通過する方が断然早く済む所もあった。
その時の状況によって身体の使い方を変えていくことに、ガッテンする。
その尾根を通過すると周囲が見渡せ、北アルプスや富士山、御嶽山などが確認できた。
この日は素晴らしく快晴で、こんな日は滅多に無いとのことだった。
目指す阿弥陀岳もだいぶ大きくなってきた。
その阿弥陀岳を目指し歩き始めるが、途中シャリバテになり待ってもらうこともあった。
「二人は平気なの?」と不思議であったと思うと同時に、また僕はまだまだだなぁと反省。
岩稜帯に入り、ヘルメット・アイゼン・ハーネスなどを身に着ける。斜面をトラバースする際に
アイゼン・ピッケルの使い方などの説明を受ける。状況が悪くなればなるほど、
こうしたひとつひとつのことがとても大切なことであると思った。
雪質は何層にも重なり合っているような所やアリ地獄のように
サラサラしていて這い出るのに苦労したりと変化する。
P3ではロープを使い登り始める。西村さんがリードする。勝野さんがビレーする。
私は何がこれから始まるのか正直わからなかった。
状況に応じて自分にできることは何かと考えることの
大切さを教えてもらった。ただ攀じ登ることだけがクライミングではない。
パートナーを想う気持ち。惜しみない献身。
そのような関係の中で厳しさを共に乗り越えていく。上手く表現できないけれど、
とても大切な何かを教わった。
P3は草付き雪・岩ありと楽しく登ることができた。ちょっと身体が疲れてきて、
どう登っていこうかなと考えているときに上から勝野さんの
「上がって来い!」という声が聞こえた。
不思議と立ち直る。嬉しかった。
そこからは尾根を歩いたり斜面をトラバースしたりする。
そしてピッケル・アイゼンをしっかりと
使い四つん這いで登っていくと、目に映るのは白い雪面と青い空だけになる。
西村さんがその中間で止まって先に行かせてくれた。
もしかして、ここが阿弥陀岳山頂なのか?
確信が持てるまで少し時間がかかった。ここが山頂と理解できた時、
嬉しさが身体を突き抜けた。
何を言ったか憶えていないけれど、私は嬉しくて
何か言葉にならない言葉を声に出して言っていた。
西村さん、勝野さんと握手し抱き合う。こんなことがすごく自然にできた。
このことはすごく素晴らしいことだと思った。
下山して船山十字路につづく林道を歩いているときに空を見上げると、
星がとてもきれいだった。
槍ヶ岳で北鎌から登ってきたクライマーを見て以来憧れていたクライマーの
世界に一歩前進したんだと静かに嬉しかった。
西村さん勝野さん本当にありがとうございました。