精神障害者・身体障害者の結婚について
〜皆が、いきいきと共に暮らし、頑張っている現況の報告〜
1.結婚の一般的状況
私ども「結婚相談館ブライダルケアセンター」では、数多くの健常者の皆様が登録されています。
ここで私どもが、ご提案したいことは同じ境遇のお相手との結婚のほかにも、健常者との結婚も前向きに考えていただきたいということであります。私どもの会員様には健常者の方々も多数ご入会されております。
事実、軽度の精神疾患や障害を抱えた会員様が健常者の人とご結婚をされたという事例は少なくありません。
会員様の比率は平成21年12月現在、健常者の方8に対し、疾患や障害を抱える人は2の割合です。
ここで私どもが患者様や、その親御様と接触してきた中で率直に「結婚」について考察をしてみたいと思います。
結婚生活のあり方は様々でありますが、一般的な状況を私たちの周囲の例から見ると、結婚してその生活が続いている人には、「症状が比較的安定している」、「病気の自己コントロールができている」、「生活の基礎ができている」、「2人で支え合っている」等々の条件をクリアしている人が多いということは見逃せない要因であります。
精神障害者の方や身体障害者の方が健常者と一緒になった場合でも、病気のことが十分理解され、愛情を持って支えられ、すばらしい家庭生活を続けている例がいくつも報告されているのが一般的であります。
2.実際に結婚した人の結婚への考え 
精神障害をもちながら結婚し、11年経つ健常者の夫と、障害を持つ妻のAさん夫婦にお話をうかがった。
2人は知人の紹介により1997年の3月に出会い、6月に結婚し、翌年1児をもうけた。当初は夫婦のほかに夫の父母、妹と暮らしていた。
精神障害を持つAさんは、 「結婚するまでは自分のことばかりを考えていたから悪くなっていたと思います。また競争社会にのみこまれて疲れてしまっていました。34歳という年齢で早く結婚しなければという焦りを感じ、寝ているときに『お前は結婚できない』という声まで聞こえてきて、すごく不安で、調子も悪くなっていました。しかし、結婚してからは自分のことだけではなく、夫のこと、子どものことを考えるようにななりました。私が思うに、結婚すると自分にだけ注意が向くことがなくなるから症状が安定したのだと思います。結婚するときは相手の条件を選びがちです。でも結婚してみて感じたことは、選ぶお相手が誰であれ、その後の結婚生活で努力をしないといけないということでした。どんな人間でも良いところが、必ず一つはあります。それを見つけて、認め合うことが大切だと思います。」と語ります。
現在2人は子どもと3人暮らしである。そして2人で農業をして家計を支えている。農業なら時間に制約がなく、自分たちのペースで仕事ができる。「疲れたり落ち着きがなくなったりするとすぐ横になったり、お茶を飲んだりと一息ついてから作業を行なうように心がけている。」と、自分たちで心身をコントロールしているようである。
健常者の夫は言います。「現在、困っていることは特にはないけどあえて言うならばお金のことです。でもお金がある人は忙しく時間がない。私たちは、お金はそんなにないけれど時間がある。それだけでいいのです。また、妻には障害年金があります。これも立派な収入と考えています」と話した。
このようなことが言えるのも、精神障害を持つ妻を心から思いやることができ、なおかつ疾患に深い理解を示しているからだと思います。このように、「精神障害を持つ人を心から理解できる健常者も存在する」ということを知るのも必要です。
3.結婚に対する家族の考え
家族によって結婚に対する考え方は様々であります。
障害を抱える方が結婚するときには、それによって家族の負担が増えるのではないか、と考える家族もいます。
自分の子どもを過小評価している部分もあって、自分の代わりに保護者あるいは親代わりになって面倒を見てくれる人がほしいと思う。それが健常者を結婚相手として選んでほしい、という願いになるようです。
この考えは、親亡き後にも通じる親御様の願望でもあり、また、御子息・ご令嬢さまの将来の問題を解決する唯一の方法でもあります。
親御様からすると自分の子どもが結婚するということは親にとってうれしいことであるし、結婚することにより自立心が強くなったり、支え合い相談する相手ができるため両親も安心なのではないだろうか。結婚前は両親が当社結婚相談所に相談したりして結婚に至っていることが多い。また、本人にとっても親に認めてもらったということが一つの励みになっていると言います。
私どもの「結婚相談館ブライダルケアセンター」は、確かに障害者の方も登録されていますが、健常者の方も大勢登録されています。既に健常者の方と成婚された女性会員の方は、次のように話します。
「初めは障害者同士(同じ境遇の者同士)の結婚も考えました。しかし、活動を通じて最終的に行き着いたのは、健常者でなおかつ自分の疾患に理解のある方を求めていました」と。
確かに、女性側から考えてみれば、理解のある健常者を求めるのが一般的なのかもしれない。
また、近頃は、男性側からも健常者のお相手を求めてくるケースが多いのも現実です。
私ども結婚相談館は、障害者の方のみならず、健常者との御縁も有しながら、生涯のパートナーとなる方をご紹介していくシステムをとっているのです。
4.結婚後の経済面
一方、精神障害者同士で結婚された、AさんBさん夫婦は2人の生活保護費と授産施設での収入、Bさんの障害基礎年金で生活している。
障害基礎年金は月約8万円くらいで、授産施設からの収入は多いときには2人で2万円くらいになる。生活保護費は、基準額から障害基礎年金を含む収入を差し引いた額が支給され、2人で約11万円、合計で約21万円ほどである。
また、障害を持っている人は優先して公営住宅に入居できる場合もあります。AさんBさん夫婦も、公営住宅の抽選に当たり、現在公営住宅に親子3人で暮らしています。
私どもは、障害を持ち合わせる男性諸君にも以下を申し添えたいと思います。
障害者年金がある場合、前途のように、男性側の障害者年金も立派な収入と私どもは理解します。これは、昨今女性であるお相手からも理解される事柄のひとつのようです。例えば、2か月に1度の支給額が15万円としましょう。お相手の収入や年金も合わせると、これらの金額は、一般健常者のパートよりもむしろ良い位の家庭収入になる場合があります。
理解のあるお相手をお探しになって、年金や公的受給そして福祉を上手に利用し、生活に結びつけることができれば、ある意味、生活力はクリアでき幸せは近づくと私は考えます。
5.考察まとめ 
精神障害をもつ人たちは障害をもたない人たちと同じように恋愛や結婚をしたいと思っているが、病気が思春期に発症することが多いために、人との付き合いが苦手だったり恋愛経験が少ないことがある。恋愛についての悩みは健常者と同じだが、そのことだけに固執してしまい他のことが考えられなくなったり、幻聴などの症状として現れてしまうことがあります。そのため、他者の助言が必要であります。身近にいる家族やスタッフなどの助言によって選択肢を与えられ、自分で答えを見つけて経験を積んでいく。
結婚する前は「障害があるから自分はずっと一人なのではないか」という不安を持っていたが、実際に結婚すると「結婚してよかったと思った」と、お話をうかがった人は言います。結婚するとお金のやりくりが大変であるが、結婚することによって支え合い、相談し、いつも傍にいてくれる相手ができ、それが病状の安定につながっているようであります。これはお世辞ではなく、私ども結婚紹介をしていて、ありありと理解ができることであります。
精神障害や身体障害ををもつ人にとって、一人ではないと感じられることは大きな心の支えになっている。
デイケア施設や授産施設などの場でも、現在恋愛や結婚の問題はスタッフにとっての課題にもなっているようです。
私たちは、これからも精神障害や身体障害のある皆様を、力強く応援し、生涯の心の支えとなるパートナーの紹介に邁進していきたいと考えます。

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