田辺マモルの編
田辺マモル
イけてない歌手、田辺マモル。彼に関する詳細は田辺マモル公式サイトを見てね(手抜きと言うなかれ)
1.田辺マモルとの出会い
ある日の夕方、車でいつも聴いているFM802から流れてきた曲。
語るような歌うような、やたらと長い曲だった。聴くとはなしに聴いていたが、歌詞にものすごく惹かれ、歌声にも魅力を感じた。
それが「ハワイの詩」だ。
それから二度ばかり、FM802でこの曲を耳にする機会があり、田辺マモルという名前がしっかり私の中に残る。
ある日、FM802看板DJ・ヒロ寺平さんの番組が、スキー場からの生中継で行われた。
ちょうど雪玉を作って遊んでいた田辺さんがヒロさんのところに戻ってきた頃から、私はこの番組を聞き始めたのだが。
その喋りにすっかり虜〜 こーんなトホホな人はおらんぞーとはまる。
別の日にヒロさんの番組に出演された際にも、『ときどきうれしい』に関する話などをされていて、これまた最高。
なんとも情けない部分が垣間見えて、うわぁぁぁ〜〜〜たまらん〜〜〜〜状態になる。
オンエアされ、耳にした曲たち(『ハワイの詩』『ときどきうれしい』など)がその田辺さんのキャラと相まって魅力倍増。
そして私は田辺マモルのアルバム「ヤング・アメリカン」を買ったのである。
2.初めて見た田辺マモルのライブ
心斎橋クラブ・クアトロで見たFM802のイベント。谷口崇、ビギンらと共に出演。
開場待ちをしていた階段で「どなたが目当てですか?」と何度も話しかけられ、「田辺マモルです」と答えるが、反応は……(笑)
「あ、名前は知ってますよ」「なんかいい歌を歌う方だと聞いたことはあります」などなど。
いーんです、知らない、と言われることに慣れてましたもん、既に。
で、その時に見たライブの感想は。
初めて生で見ると言うことで期待と不安が交錯(大げさ)。が、そのまんま、田辺マモルであった。
ここまでイメージどおりとわ……
でもでも、歌はCDで聞くよりずっとずっと良かった!
以来、私は田辺マモル固定ファン(そんな言葉があるのかな?)となる。
3.田辺マモルのCD探し
田辺マモルは意外にも(?)シングル、アルバムを出している。
が、半分近くが入手困難な廃盤品となっている。
取り寄せしても「入手不可」、なんとか手に入ったのは「およげ! たいやきくん」と「ドボジデ」「3DAYS A WEEK」だけ。
「守」時代のものはなかなか手に入らない。
手に入らないとなると余計に手に入れたくなるのが人の常。ふっっ、ネットを駆使して探しましたわ。
未だに「目覚めたまま眠る生活」と「守」時代のシングルはMDにコピったものしか持っていないが、それでも一時は幻のアルバム、
とまで言われていた(?)『高い塔の天辺で』も手に入れた。
ついでにマキシシングル『フライ・ハイ』は{見本}とラベルの付いた未開封ものだ(自慢にならない)。
なんとか過去のCDは一通り揃った。
が、新譜も予約しない限り、ウチの近所のCD店では手に入らないのである。今思えばこんなCD店に『ヤング・アメリカン』があったの
は奇跡だ。
4.田辺マモルの魅力
田辺ファンなら誰もが上げるであろう彼の魅力は
「とほほ」「イけてない」
など、聞きようによっちゃ誉めてんのかけなしてんのか? といった類の言葉で語られる。
もーね、カッコ悪ぃの。こっちが赤面したくなるようなこともままあるの。腰砕けになるような時も多いの。
それがたまらなくいい〜♪ もう愛すべきキャラなのだ。
ただ、時々心に浸みいるような言葉を述べられる。田辺マモルの独特のセンス、感性、人間性が伺えます。
田辺マモル公式サイトの「一人掲示板」を読むだけでも、彼の感性の一部は伝わってくる。
そしてその感性は彼の歌に投影されている。
5.「守」時代
はっきり言って今以上に売れていない、また「売れる訳ないわな」と納得できるようなアルバムばかり。
曲そのものはそんなにヘボでもないが、飾りすぎた言葉、哲学的に小難しく並べられたかのような言葉で作られた歌詞はいただけない。
私は音楽的なことはさっぱりわからないけれど、歌も今一つ。なんとなく「のっぺらぼう」な歌い方なのね。
腹の底から、心の奥から迸る「なにか」と共に吐き出される歌声が田辺の魅力だし、それがトホホな部分をひっくり返すというのに
「守」時代の歌にはそういう勢いを感じられないものが多い。
小綺麗に格好良く決めるなんて田辺マモルには無理なので、「マモル」になってからのアルバム『ドボジデ』はいい味だしてます。
6.アルバム『ドボジデ』に関するうだうだ
このアルバムはスゴイ。
なんちゅーか、やけっぱちじゃないの? と思わせてくれる。思いっきり田辺マモルなのだ。
素面で聴くとめちゃくちゃ笑えて、酔っぱらって聴くと涙がでてくる。
生活にも恋愛にも行き詰まった感覚、孤独、そんな中で悪あがきをしている。
このアルバムに収録されている『トホホ』なんて、思いっきり素のままやんけ……と笑っちゃう。
三十歳になったばかりの田辺マモルは、想像以上に年齢やなくしつつある若さや、取り残され感に焦りを抱いたんだろうか?
そんな中でこんなアルバム(笑)を出すあたり、田辺マモルの意地を感じます。
へなちょこに見えて実は屈しない頑固者、それが田辺マモル。
だからこんなに惹かれるんだな。
ただ、現在の田辺マモルのスタンスは『ドボジデ』からはやや離れているように思う。
(それは「3DAYS A WEEK」以降のものに関するうだうだで書くとして)
余談ですが、このアルバムに入っている『ベイビーの正しい作り方』(たいやきくんのカップリングでもある)にこんな歌詞がある。
♪一人に疲れた人が 二人になって一人の
ベイビーを作って夢をベイビーに託す
シーズンオフの僕たちに できることは他にない
ねえ君 結婚しようか? (作詞・田辺マモル)
私はこれが気に入らなかった。納得できん、と思っていた。
が、実はこの歌詞は田辺マモルの考えというのではなく、彼の友人がこんな事を言っているのを聞き、それが哀しくて作った歌だという。
それを聞いてちょっと安心した。そう、諦めで結婚や子作りをしちゃいけませんぜ。
6.『3DAYS A WEEK』以降の田辺マモル
「守」時代が力んでいた感じで、『ドボジデ』はやけっぱち、そして『3DAYS A WEEK』で脱皮。そんな感じかしら。
『3DAYS〜』は名盤だと思うね。
そこここに遊びを取り入れる余裕も感じられるし、ふっと力を抜いて、ちょっと前を向いたらなんだ、そうなんだ、と気づいた、みたいな。
リアルに「女」が登場してきたのはここら辺からじゃないかな。
田辺マモルの女性観・恋愛観をうかがえる曲たちも多いです。ちょっとHっぽくなってきたのもこの辺からかな。
あくまでも私個人の意見だけども、やらしさのないものってあんまり魅力がない。だからここら辺から田辺マモルがやらしさを見せ始めていなかったら今ほど入れ込むことはなかったかも知れない。
田辺マモルのHって、なんかオタオタした部分を残していて、そのくせやたらと核心を突いてるからスゴイ。
どう見ても豊富な女性経験を持ってはいなさそうな田辺マモルなのだが(すまん)、この人はひとつの恋愛で他人の数倍のなにかを得てるんじゃないか。
たとえば私が十人とつきあってやっとわかったなにかを、田辺マモルは一人の女性とつきあっただけで得てしまう。そんな感じだ。